結論

補充は「今入っているのと同じ色・同じ規格」を足すだけ。
色や種類が違うものを混ぜると、詰まりや腐食の原因になります。

難易度 ★☆☆ 作業 数分 費用 補充なら1本1,000〜2,500円 注意 エンジンが冷えてから

↓ まず自分の車の冷却水の「色・規格」を確認して、同じものを足すのが基本です。

✓ 冷却水が減っていて、何を足せばいいか知りたい このページで色・規格の見分け方と補充手順を確認

✗ 水温の警告灯が点いた・湯気が出ている まず[警告灯が点いた時の対処](/posts/777)・[オーバーヒートの緊急対処](/posts/356)へ

この記事の目次8項目

まず確認:冷却水の「色」でおおよその種類が分かる

外車の冷却水(クーラント)は、メーカーや年式で中身が違います。ボンネットを開けて、半透明のサブタンク(リザーバータンク)の液の色をまず見てください。

よくある中身 交換の目安
緑・赤 従来型のクーラント(主に国産・古い車) 2年ごと
青・ピンク・紫 長寿命タイプ(多くの外車がこれ) 4〜7年ごと

迷ったら、今入っている色と同じものを足すのが確実です。色は「劣化や漏れを見つけやすくするため」に付けられています。だからこそ、違う色を混ぜると濁って、劣化や漏れに気づけなくなります。

外車で多い純正クーラント(色の目安)

外車は純正で色が決まっていることが多く、社外品も「その色に合わせた対応品」が売られています。まずは純正の色を知っておくと選びやすくなります。

メーカー 純正の色(目安) 規格の呼び名
BMW・MINI G48
Mercedes-Benz 青(一部 赤系) MB 325.0 ほか
VW・Audi ピンク〜紫 G12/G13/G12evo
Volvo 黄〜緑 など 車種で異なる

★上記は代表的な傾向です。年式・グレードで異なるため、購入前に取扱説明書か今入っている液の色を確認してください。分からなければ整備工場やディーラーに「この車の純正クーラントは何色ですか」と聞くのが確実です。

VW・Audiの「G12・G13・G12evo」って何が違う?

VW・Audiの人が一番迷うのがこの規格です。ざっくり言うと、新しくなるほど寿命と対応範囲が広がっています。

規格 色の目安 ひとことで言うと
G11 青緑 古いタイプ(成分の系統が別)
G12/G12+/G12++ ピンク〜赤 長寿命タイプの主流だった
G13 G12の後継
G12evo ピンク〜薄紫 今の純正。上のG11〜G13すべての代わりに使える後継品
もっと詳しく:2022年頃にG13→G12evoへ切替

VW/Audiは2022年頃に純正クーラントをG13からG12evoへ切り替えています。G12evoはG11・G12・G12+・G12++・G13のすべてと混ぜて使える後継品(VW規格 TL 774 L)とされており、次に補充・交換するならG12evoを選んでおけば新旧どちらの車にも対応できます。ただし性能を最大限保つには、混ぜるより全量を同じものに交換するのが理想です。

混ぜてはいけない組合せ(ここが一番大事)

冷却水は「同じ色・同じ規格を足す」が大原則です。特に注意したいのが、成分の系統が違うものを混ぜてしまうケースです。

組合せ 可否
緑(国産の従来型)× ピンク(外車のG12など) ✗ 厳禁(ゲル状に固まり、詰まりの原因)
G11(古い青緑)× G12/G13 ✗ 混ぜない
G12 × G13 △ 近い系統だが、混ぜない方が無難
G12evo × 旧規格(G11/G12/G13) ○ G12evoは後継なので補える
BMWの青 × ベンツの青(別メーカー純正) △ 応急以外は避け、同じ純正で揃える

一番危ないのは、成分の系統(無機系と有機酸系)が違うものを混ぜることです。固まって冷却水の通り道を詰まらせ、かえってオーバーヒートを招くことがあります。「色が違う=系統が違うかもしれない」と考え、違う色は継ぎ足さないでください。

迷ったときの正解はシンプルです。今入っているのと同じ純正(または同じ規格の対応品)を足す。分からなければ足さずに整備工場へ。 これだけで混合トラブルはほぼ防げます。

冷却水の補充のやり方(応急・数分)

減りが少しだけで、警告灯も点いていない場合の補充手順です。警告灯が点いている・湯気が出ているときは、補充ではなく緊急対処が先ですオーバーヒートの緊急対処はこちら)。

  1. エンジンが冷えてから作業する。熱いままキャップを開けると、熱い冷却水が噴き出して大やけどをします。最低でも30分以上、できれば完全に冷めてから。
  2. ボンネットを開け、半透明のサブタンク(リザーバータンク)を探す。
  3. タンク横の「MIN(最低)」と「MAX(最高)」の線を確認し、MINとMAXの間まで同じ色・同じ規格のクーラントを足す。
  4. キャップをしっかり閉める。ラジエーター本体のキャップは基本さわらない(補充はサブタンク側でOK)。

補充後にすぐ減る・またすぐ警告灯が点くときは、どこかで漏れています。その場合は補充を繰り返さず、点検を受けてください。

手元にクーラントが無い!応急で水を足していい?

緊急でクーラントが手に入らないときは、応急としてなら水を足しても大丈夫です。まず走れる状態にするのが優先だからです。ただし条件があります。

  • 精製水がベスト。 無ければ水道水でも応急ならOK。
  • ミネラルウォーターはNG。ミネラル分が冷却水の通り道で固まり(スケール)、かえって詰まりの原因になります。水道水より避けてください。
  • 水だけは「凍結を防ぐ力」と「錆を防ぐ力」がありません。あくまで応急です。足したあとは放置せず、早めに整備工場で正規のクーラントに入れ替えてください。

つまずいたら、ここ

Q. 色が分からない・濁っていて判別できません 劣化しているサインです。無理に足さず、整備工場で「今の冷却水を抜いて、この車の純正に入れ替えたい」と相談してください。全量交換なら混合の心配がありません。

Q. 減りが早い気がします どこかで漏れているか、冷却系のトラブルの可能性があります。補充を繰り返すより、水温警告灯の記事を参考に早めに点検を。

Q. 車検や交換の時期はどう分かりますか 長寿命タイプ(青・ピンク・紫)は4〜7年が目安です。整備記録や取扱説明書で前回交換時期を確認し、分からなければ点検時に相談してください。

まとめ

  • まずサブタンクの液の色を見る → 同じ色・同じ規格を足すのが基本
  • 違う色・違う系統を混ぜない(特に緑×ピンク、G11×G12はゲル化して詰まる)
  • 補充はエンジンが冷えてから・MINとMAXの間まで
  • クーラントが無い緊急時は精製水(無ければ水道水)で応急・ミネラルウォーターはNG・後で必ず正規品へ
  • 警告灯・湯気が出ているときは補充より緊急対処警告灯の対処が先

この記事は、現役・輸入車販売店オーナーの立場から、外車オーナーが冷却水の種類を正しく見分け、混合トラブルを避けて安全に補充できるようまとめました。 — 経営者(現役販売店オーナー)