結論

払い終わっても、車はまだ自分の名義になっていません。
お店から書類をもらい、自分で名義を書き換える手続きが要ります。

やること お店に「所有権解除の書類」を頼む 期間 書類が届くまで1〜2週間が目安 費用 手数料700円(自分で運輸支局へ行く場合)

↓ まず車検証を開いて、「所有者」の欄に何と書いてあるか見てください。

✓ 車検証の所有者がお店・ローン会社になっている このページの手順がそのまま使えます

✓ まだ支払い中だが、一括で返したい 一括返済の注意点

✗ 所有者も使用者も自分の名前 手続きは終わっています。何もしなくて大丈夫です

完済前と完済後の車検証の対比図。完済前は所有者が販売店・使用者が本人で、名義変更の手続きをして初めて所有者も本人になる
この記事の目次12項目

完済しても名義が変わらないのは、車検証の所有者がお店のままだから

自社ローンは、お店があなたに分割で車を売る形(割賦販売)です。支払いが終わるまで、車の名義(所有者)はお店に置いたままにします。これを所有権留保といいます。

支払いが終わっても、この名義は自動では戻りません。お店が書類を出し、あなたが役所で書き換えて、はじめて自分の名義になります。

車検証には名前を書く欄が2つあります。ここを混同している方がとても多いです。

誰の名前が入るか 意味
所有者 完済前はお店・ローン会社 車を売る・廃車にする権利を持つ人
使用者 あなた 実際に乗る人。税金・車検・保険の責任者

支払い中でも自動車税の通知はあなたに届いていたはずです。分割払いで所有者がお店になっている場合、税金は使用者であるあなたが納める決まりだからです(東京都主税局ほか各都道府県の案内)。税金が来ていたから名義も自分、とはならないわけです。

所有者の欄がお店のままだと、売ることも廃車にすることもできない

「乗れているのだから急がなくていい」と思われがちですが、放っておくと、どこかで詰まります。名義が自分になるまで、次のことができません。

やりたいこと 所有者がお店のまま 名義変更したあと
売る・下取りに出す ✗ できない ○ できる
廃車にする ✗ できない ○ できる
乗る・車検を受ける ○ できる ○ できる
引っ越し・結婚で住所や姓を変える △ お店の書類が要る ○ 自分だけでできる

いちばん怖いのは、書類を出してくれるはずのお店が、いつまでもあるとは限らないことです。廃業されると書類の取り付けに手間も費用もかかります。完済したその月に片づけてしまうのが安全です。

法律の上でも、名義が変わる事由があった日から15日以内に手続きをすることになっています(道路運送車両法第13条)。守らなかった場合の罰則として、50万円以下の罰金も定められています。保険会社も「完済後は速やかに所有者をご自身に変更してください」と案内しています。

まずやること:お店に「所有権解除の書類をください」と連絡する

最後の支払いが終わったら、電話でもメールでも構いません。「完済したので、所有権解除の書類をお願いします」と伝えるだけで通じます。業界共通の言い方なので、これで話が早く進みます。

名義変更の4段階の図。支払い完了はその日に終わり、お店に所有権解除の書類を依頼し、書類が届くまで1〜2週間、運輸支局で手数料700円を払って書き換える

このとき、お店から次のものを求められます。先に用意しておくと1往復ぶん早く終わります。

  • 車検証のコピー
  • お店の書式の依頼書(送ってもらえます)
  • あなたの印鑑登録証明書(お店から求められた場合)

書類が届くまでは1〜2週間。ここだけは自分で早められない

全国共通の決まりはなく、日数は会社ごとに違います。現役の販売店として実際に対応している感覚では、1〜2週間ほどを見ておけば大きく外れません(当店で対応している範囲での感覚で、統計値ではありません)。

頼み先 届くまでの目安
販売店に直接(早い店) 即日〜数営業日
一般的なケース 1〜2週間
信販会社を通している 2週間前後

車検や売却の予定があるなら、1か月前には頼んでください。郵送でしか受け付けない会社もあるので、往復の日数も足して考えるのが安全です。

途中で一括返済したい人が先に見るべきは、契約書の「手数料」の欄

「まとめて払って早く自分の名義にしたい」という相談もよく受けます。一括で返せること自体は、たいていのお店で受けてもらえます。

ただし早く返しても支払総額が減るとは限りません。自社ローンは金利ではなく、手数料をあらかじめ上乗せする形をとることが多いためです。銀行のローンのように、返した分だけ利息が減る仕組みとは違います。

契約書の「繰上返済」「期限前完済」「手数料の払い戻し」という項目を見てください。書かれていなければ、お店に「いま全部払うと総額はいくらになりますか」と数字で聞くのが確実です。減らないと分かったうえで、名義を早く自分にするために一括で払う、という判断はもちろんアリです。

運輸支局に行く日に持っていくもの(手数料700円)

書類がそろったら、平日に運輸支局へ行きます。自分で行けば、かかるのは手数料と書類代だけです。

お店から届くもの

  • 譲渡証明書(お店の実印が押してあるもの)
  • 委任状(お店の実印が押してあるもの)
  • お店の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)

自分で用意するもの

  • 車検証(原本)
  • あなたの印鑑登録証明書(発行から3か月以内)と実印
  • 手数料700円(2026年4月に500円から変わりました。電子申請なら600円)
  • 車庫証明(車を置く場所が変わる場合のみ。同じ場所で乗り続けるなら要りません)

手続きの当日は、同じ建物にある自動車税の窓口に申告書を出すところまでが1セットです。ナンバープレートは、管轄が変わらなければそのまま使えます。

⚠️ つまずきやすいのはここ:印鑑登録証明書は発行から3か月を過ぎると使えません。書類を頼む前に取ってしまうと、お店とのやり取りの間に期限切れになることがあります。お店の書類が届いてから取りに行くと失敗しません。

平日に休みが取れない場合は、行政書士に頼む方法もあります。ナンバー変更がない普通車で、事務所の料金表を見るとおおむね8,000〜20,000円です。お店が有料で代行してくれることもあるので、書類を頼むときに一緒に聞いておくと手間が省けます。

軽自動車は行き先が違い、しかも2025年7月から早くなった

軽自動車は運輸支局ではなく、軽自動車検査協会で手続きします。手数料は無料です。

さらに2025年7月から仕組みが変わりました。それまで必要だった所有者承諾書が廃止されました。お店やローン会社がオンラインで所有権解除の情報を登録すれば、書類の郵送を待たずに手続きできます。実際に、書類の発送そのものをやめた信販会社もあります。

項目 普通車 軽自動車
手続き先 運輸支局 軽自動車検査協会
手数料 700円 無料
実印 必要 不要
お店の書類 郵送で受け取る オンライン登録で済む場合がある

軽の場合は、お店に「所有権解除の情報をオンラインで登録できますか」と聞いてみてください。できると言われたら、あとは協会へ行くだけです。

名義が自分になったら、次の車の選択肢が増える

完済まで走りきったこと自体は、はっきり前進です。ただし残念なお知らせもあります。自社ローンの支払い実績は、信用情報には記録として残らないのが一般的です。銀行やディーラーのローンが通りやすくなる、という形にはつながりにくいということです。

そのうえで、名義が自分に戻ると選べる手が増えます。今の車を売って次の資金にできますし、そのまま乗り続けて維持費だけ見直すこともできます。

いまの車がいくらになるかは、査定を取らないと分かりません。金額を知ったうえで「やっぱり乗り続ける」でも構いません。判断材料が1つ増えるだけです。

いまの外車の買取相場を無料でチェックする

次の車も分割で買うことを考えているなら、条件だけ先に見ておくと計画が立てやすくなります。

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過去にローンを断られた、自営業や転職直後で収入を証明しづらい——そんな方には、販売店が独自の基準で審査する「自社ローン」という選択肢があります。

ローン審査が不安な方へ|げんき自動車の自社ローンを見る

※ 自社ローンは販売店による分割払い(割賦販売)です。「必ず通る」わけではなく、独自基準での審査があります。金利の代わりに手数料が上乗せされ、総額は銀行ローンより高くなる場合があります。まずは無料の仮審査で、ご自身が通りそうかを確認するのが安全です。

→ 自社ローンの仕組み・一般ローンとの違いを先に知りたい方はこちら(当サイト解説)

お店が動いてくれない・連絡がつかないとき

期限を決めずに待っていると、そのまま数か月経ってしまいます。次の順番で進めてください。

  1. 期限を切って書面で頼む メールでも構いません。「◯月◯日までにお願いします」と日付を入れて残します
  2. 返事がなければ、完済の証拠をそろえる 振込の記録、領収書、契約書。これが後で効きます
  3. お店がまだあるか確かめる 法務局で会社の登記事項証明書を取れば、廃業や本店移転が分かります
  4. 運輸支局と専門家に相談する 倒産している場合は請求先が変わるため、先に相談したほうが早く進みます
📚 もっと詳しく:お店が倒産していた場合

倒産の形によって、書類を出せる人が変わります。破産手続きに入っていれば破産管財人が窓口になり、管財人の印鑑証明書と、その印鑑を押した譲渡証明書・委任状で手続きします。清算中なら清算人に連絡します。

登記だけが閉鎖されていて連絡先が誰もいない、という場合の扱いは全国一律ではありません。管轄の運輸支局に事前相談してください。

このとき、完済したことを証明できる資料が手元にあるかどうかで話の進み方が変わります。振込明細と契約書は、名義変更が終わるまで捨てないでください。

よくある質問

Q. 完済したら自動で名義は変わる? A. 変わりません。お店から所有権解除の書類をもらい、運輸支局(軽は軽自動車検査協会)で手続きをして初めて自分の名義になります。

Q. 書類は何日くらいで届く? A. 1〜2週間が目安です。全国共通の決まりはなく会社ごとに差があるので、頼むときに「いつ頃届きますか」と確認してください。

Q. 名義変更しないまま乗っていても大丈夫? A. 乗ること自体はできますが、売る・廃車にすることができません。法律上も15日以内の手続きが定められています。

Q. 費用はいくらかかる? A. 自分で運輸支局へ行くなら手数料700円です。軽自動車は無料。行政書士に頼む場合は別途8,000〜20,000円ほどが目安です。

Q. 印鑑証明はいつ取ればいい? A. お店の書類が届いてからで大丈夫です。発行から3か月を過ぎると使えないため、先に取りすぎると取り直しになります。

まとめ(この順で進める)

手順 やること チェック
1 車検証の「所有者」の欄を見る
2 お店に所有権解除の書類を頼む
3 書類が届いてから印鑑登録証明書を取る
4 運輸支局(軽は軽自動車検査協会)で手続き
5 新しい車検証で所有者が自分になったか確認

今日できる次の一歩

  • まだ支払い中 → 契約書の「繰上返済」の欄を見ておく
  • 完済した → 今日のうちにお店へ書類を頼む連絡を入れる
  • 書類が届いた → 平日の予定を1つ空けて運輸支局へ

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この記事は、現役で輸入車販売店を経営する立場から、現場で見てきた実例をもとにまとめました。当店は自社ローンを扱っていないため、どちらの肩も持たずに書いています。 — 経営者(現役・輸入車販売店オーナー)

最終確認日:2026年8月

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