結論

契約したあと、車の名義はお店のままです。
毎月の支払いとは別に、税金・保険・車検のお金も要ります。

名義 完済して手続きするまで、所有者はお店 別途 自動車税・任意保険・車検は自分で払う 困ったら 何が起きても、まずお店に電話が先

↓ 契約書と車検証を手元に置いて、この順に読んでください。

✓ これから自社ローンで買う 契約前に、あとで何が起きるかを知っておけます

✓ もう支払いが始まっている いま自分がどこにいるか、下の図で確かめてください

✗ 支払いが今まさに遅れそう 読むのは後で。先にこちらを見てください

この記事の目次11項目

契約したあとに変わるのは「名義」だけ。生活は普通に始まります

自社ローンは、お店があなたに分割払いで車を売る形です。銀行やローン会社からお金を借りるのではなく、お店との売買契約そのものが分割になっています。

違いは1点だけです。支払いが終わるまで、車検証の「所有者」の欄がお店の名前になります。これを所有権留保といいます。あなたは「使用者」として車に乗ります。

誰の名前が入るか できること
所有者 完済するまではお店 車を売る・廃車にする
使用者 あなた 乗る・車検を受ける・税金を払う

乗ること自体は何も変わりません。ただ売る・廃車にするは、あなた一人ではできない状態が続きます。ここが後々いちばん効いてきます。

💡 所有者の欄が見当たらない方へ:2023年1月から車検証はA6サイズのICタグ付きに変わりました。所有者の情報は紙の面に印字されず、ICタグの中に入っています。スマートフォンやパソコンの「車検証閲覧アプリ」で読むか、運輸支局で記録事項等証明書をもらうと確認できます。

自社ローンで買ったあとにかかるお金の図。毎月のローンの支払いに加えて、毎年の自動車税と任意保険、2年ごとの車検が別に必要になる

毎月の支払いのほかに、年に3つの出費が来る

いちばん多い誤算がここです。月々の支払い額だけで家計を組むと、1年目の途中で苦しくなります。

何が来るか いつ 誰が払うか
自動車税 4月1日時点の分。納期は5月中 使用者のあなた
任意保険 毎年の更新月 あなた
車検 中古車なら2年ごと あなた

自動車税の通知があなたに届くのは、分割払いで所有者がお店になっている場合は、買主を所有者とみなして課税すると法律で決められているためです(地方税法第147条)。軽自動車も同じ扱いで、こちらは納期が4月中です。「所有者はお店なのに、なぜ自分に来るのか」と驚かなくて大丈夫です。

車検は新車なら初回3年、以降は2年ごとです。中古で買った車はほぼ2年ごとになります。月々の支払い+この3つを12で割った額が、実際に毎月出ていくお金だと考えてください。

車両保険を勧められるのは、車がお店の担保だから

自社ローンでは、車両保険への加入を強く勧められることがよくあります。壊れると担保が消えてしまうので、お店側としては当然の話です。

ただし加入を契約の条件にしているかどうかは、店によって違います。必須の店もあれば、任意の店もあります。うちは自社ローンを扱っていないので、どちらが多数派かは言えません。

車両保険を付けると保険料は上がります。契約書の保険に関する欄と、保険証券を並べて、自分がどちらの契約なのかを先に確かめてください。事故が起きてから確認すると、間に合わないことがあります。

途中で困ったときの行き先は、3つに分かれる

契約後に起きることは、だいたいこの3つのどれかです。共通しているのは、どれも「まずお店に連絡する」から始まることです。

自社ローンの契約後に起きることの行き先の図。払えなくなりそうなときは止まる前にお店へ電話し、事故のときは警察・お店・保険会社の順に連絡し、払い終わったら名義を自分に書き換える

① 払えなくなりそう

いちばん多い相談です。遅れてから連絡するのと、遅れる前に連絡するのとで、その後がまったく変わります。遅延損害金・督促・車が動かせなくなる話まで、順番は決まっています。

自社ローンが払えない 滞納で何が起きるか

② 事故で車がだめになった

全損でも、残りのローンは消えません。保険金が誰にいくら払われるか、廃車の手続きを誰ができるかで、その後の負担が変わります。順番を飛ばすと出るはずの保険金が出なくなります。

自社ローン中に事故で全損 残債・保険金・廃車の正しい順番

③ 払い終わった

完済しても、名義は自動では戻りません。お店に書類を出してもらい、自分で書き換えて初めて自分の車になります。書類が届くまでは、現役の販売店として実際に対応している感覚では1〜2週間ほどを見ておけば大きく外れません(当店で対応している範囲での感覚で、統計値ではありません)。車検や売却の予定があるなら、1か月前には頼んでください。

自社ローンを払い終わったら 所有権解除と名義変更

途中で乗り換えたい、と思ったときの現実

「2台目がほしい」「もっと安い車に替えたい」という相談もよくあります。ここは先に言っておきます。

支払いの途中で車を売ることは、原則できません。売る権利を持っているのは所有者、つまりお店だからです。動かすには、いったん完済して名義を自分にするしかありません。

現実的な順番はこうなります。

  1. いまの残りがいくらか、お店に数字で出してもらう 「今日全部払うといくらですか」と聞きます
  2. いまの車がいくらで売れるか、査定を取る これはお店を通さなくても調べられます
  3. 2が1を上回れば、売って完済し、差額を次の頭金にできる
  4. 下回るなら、差額を用意しないと動けません

査定額を知らないまま相談に行くと、提示された条件が良いのか悪いのか判断できません。金額だけ先に知っておくと、話が対等になります。

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契約書のどこを見ればいいか

契約書は読まずにしまってある方がほとんどです。次の欄だけでいいので、今日のうちに場所を確認しておいてください。困ったときに開くのは全部ここです。

欄の名前 何が書いてあるか
支払総額・手数料 車両価格にいくら乗っているか
繰上返済・期限前完済 早く返したとき、総額が減るのか
期限の利益の喪失 何回遅れると残り全額の請求になるか
遅延損害金 遅れた分にかかる割合
所有権留保・所有権解除 完済後の名義変更を誰がどう進めるか
車両保険・装置に関する条項 保険が必須か、車に何か機器を付けるか

いちばん見落とされるのが最後の行です。車にGPSやエンジンの始動を止める機器を付ける契約になっているかどうかは、契約書に書いてあります。付いているかどうかを気にする前に、まず自分の契約書を開いてください。

手数料は「年◯%」で書いてあるはず。書いていなければ聞く

自社ローンは借金ではなく分割払いの売買なので、銀行のローンのような金利ではなく手数料という形で上乗せされます。ここで多いのが「総額しか聞いていない」という状態です。

2か月以上・3回以上に分けて車を売る契約には、割賦販売法という法律が当てはまります。この法律では、お店は手数料の割合を年利で、少なくとも0.1%の単位まで示さなければならないと決められています。契約したときに書面を渡す義務もあり、そこには支払総額・各回の金額・支払時期・解除に関すること・所有権の移転に関することを書くことになっています。

しかも法律でいう手数料は、名前が何であっても関係ありません。事務手数料・管理費・保証料といった名目で分かれていても、まとめて手数料として扱われます。

もらった書面に年◯%の表示が見当たらないなら、契約前に「実質年率は何%になりますか」と聞いてください。答えられない店とは、その先の話も難しくなります。

完済しても、信用情報が良くなるとは限らない

これは知らずに契約する方が多い点です。自社ローンの支払い実績が信用情報機関に記録されるかどうかは、そのお店が信用情報機関に加盟しているかどうかで決まります。

加盟していない店なら記録は残りません。制度の上では、自社で分割販売をする事業者を会員として受け入れている信用情報機関もあるので、加盟している店なら記録されます。どちらなのかは、契約前にお店に直接聞くのが確実です。「信用情報機関に加盟していますか。支払いの記録は登録されますか」で通じます。

記録されない店で契約した場合、「きちんと払い切れば次は銀行のローンが通る」という形にはつながりません。過去の記録が消えるのを待つ間の橋渡しとして使う、という位置づけになります。

自社ローンでの購入を検討している段階なら、条件を先に見比べておくと、契約後に驚くことが減ります。

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過去にローンを断られた、自営業や転職直後で収入を証明しづらい——そんな方には、販売店が独自の基準で審査する「自社ローン」という選択肢があります。

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※ 自社ローンは販売店による分割払い(割賦販売)です。「必ず通る」わけではなく、独自基準での審査があります。金利の代わりに手数料が上乗せされ、総額は銀行ローンより高くなる場合があります。まずは無料の仮審査で、ご自身が通りそうかを確認するのが安全です。

→ 自社ローンの仕組み・一般ローンとの違いを先に知りたい方はこちら(当サイト解説)

よくある質問

Q. 支払い中でも車は自由に乗れる? A. 乗れます。使用者はあなたなので、通勤も遠出も普通にできます。できないのは売ることと廃車にすることです。

Q. 自動車税は誰が払う? A. 使用者であるあなたです。所有者がお店でも、所有権留保の場合は買主が納める決まりになっています。

Q. 車検はどこで受けてもいい? A. 受けられます。ただし契約でお店を指定している場合があるので、契約書を確認してください。

Q. 引っ越しや結婚で住所・姓が変わったら? A. 手続きにはお店の書類が要ります。所有者がお店のままだからです。変わったらすぐお店に連絡してください。

Q. 途中で解約して車を返せる? A. 対応は店ごとに違います。返しても残りの支払いが消えるとは限らないので、まず契約書の解約に関する欄を読んでください。

Q. 手数料が何%なのか分からない A. 2か月以上・3回以上の分割で車を売る契約では、手数料の割合を年利で示す決まりになっています。書面に見当たらなければ「実質年率は何%ですか」と聞いてください。

Q. 完済したら勝手に名義が変わる? A. 変わりません。お店から書類をもらい、自分で運輸支局へ行く必要があります。

まとめ(契約したら、この順で確かめる)

手順 やること チェック
1 車検証の「所有者」の欄を見る(電子車検証はアプリで)
2 契約書の6つの欄の場所を確認する
3 手数料が年何%と書いてあるか探す
4 車両保険が必須か任意かを確かめる
5 月々+税金・保険・車検で毎月いくらか計算する
6 遅れそうになったら、遅れる前に電話する
7 完済したら、その月に名義変更を頼む

今日できる次の一歩

  • これから契約する → 支払総額と手数料の年率を、判を押す前に確認する
  • 支払い中 → 契約書をしまってある場所を確認し、6つの欄に付箋を貼る
  • 支払いがきつい → 遅れる前に、今月いくら払えるかを持って電話する

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この記事は、現役で輸入車販売店を経営する立場から、現場で見てきた実例をもとにまとめました。当店は自社ローンを扱っていないため、どちらの肩も持たずに書いています。 — 経営者(現役・輸入車販売店オーナー)

最終確認日:2026年8月

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