結論

遅れてから謝るより、遅れる前に電話するほうが何倍も軽く済みます。
黙って遅れることだけが、いちばん重い結果につながります。

🔴 今日 お店に電話する。今月いくら払えるかを持って 🟡 確認 契約書の「期限の利益の喪失」の欄を読む 🟢 それでも無理なら 車を売って整理する道がある

↓ まず、今月いくらなら払えるかを紙に書いてください。0円でも構いません。

✓ 今月の支払いが厳しそう まだ間に合います。このページの順番どおりに

✓ もう何回か遅れている 車の引き上げの話

✗ 事故で車がだめになった 順番が違います。こちらを先に

自社ローンの支払いが遅れたときに進む段階の図。遅れそうな段階で先に電話すれば話ができる。連絡せずに放置すると督促と遅延損害金がつき、車が動かせなくなることがあり、残り全額をまとめて請求される
この記事の目次11項目

遅れることより、連絡がないことのほうが重く見られる

お店の側から見ると、支払いが遅れた人は2種類に分かれます。連絡がある人と、ない人です。この2つは、まったく違う扱いになります。

連絡がある人には、事情を聞いて相談する余地があります。連絡がない人には、それができません。逃げたと判断されると、話し合いの段階を飛ばして手続きが進みはじめます。

言いにくいから黙る、が一番損をします。1日でも早いほうが、お店に残っている選択肢が多いのです。

遅れると、まず遅延損害金がつく

支払いが期日に間に合わないと、遅れた分に対して遅延損害金がかかります。割合は契約書の「遅延損害金」の欄に書いてあります。

ここで知っておいてほしいのは、書いてある数字がそのまま通るとは限らないことです。お店と消費者の契約には法律で上限があり、消費者契約法では年14.6%を超える部分は無効とされています。分割払いの売買として別の法律が当てはまる場合は、上限がさらに低くなることもあります。

自分の契約の数字が高すぎないかは、記事の最後に載せた相談先で確認できます。ただ、金額としては数日の遅れならそれほど大きくなりません。本当に怖いのは、次の段階です。

「期限の利益の喪失」で、残り全額をまとめて請求される

契約書には、たいてい期限の利益の喪失という条項が入っています。むずかしい名前ですが、意味は単純です。

一言でいうと、「分割で払っていい」という約束がなくなり、残り全部を一度に払ってくださいと言われることです。これが起きると、毎月5万円だった話が、いきなり残り80万円の話に変わります。

何回・何日の遅れで発動するかは契約ごとに違います。契約書の同じ名前の欄に、その条件が書いてあります。今日のうちに、そこだけ読んでください。

ただし、お店の側もいきなり全額請求できるわけではありません。2か月以上・3回以上に分けて車を売る契約には割賦販売法という法律が当てはまり、そこにこう決められています。

📌 20日以上の期間を定めて書面で催促し、その期間内に支払われなかったときでなければ、契約の解除も、まだ期日が来ていない分の請求もできない(割賦販売法第5条)。これに反する取り決めを契約書に書いても無効です。

ある日突然すべてが終わる、という形にはなりにくいということです。だからこそ、書面が届いたら絶対に開けてください。開封しないまま置いておくのが最悪の対応です。届いた日付が、そのまま自分に残された時間になります。

エンジンが掛からなくなる機器の話

自社ローンの車には、GPSの発信機エンジンの始動を止める機器が付けられていることがあります。ネット上でいちばん怖がられているのがこの話です。

まず、よく説明されている仕組みから。エンジンの始動を止めるタイプの機器は、走行中に止めるのではなく「次にエンジンを掛けようとしたときに掛からなくなる」形だと説明されることが多く、走行中は作動させない安全機能を備えていると公表しているメーカーもあります。

ただし、ここははっきり書いておきます。すべての装置がそうだとは確認できていません。うちは自社ローンを扱っていないので、どの店がどんな機器を使い、何日の遅れで作動させるのかも分かりません。ネット上には「何日で止まる」と書いた記事がありますが、店ごと・装置ごとに違う話なので、うのみにしないでください。

自分の場合を知る方法は1つだけです。

⚠️ 確認するのはここ:契約書の「車両に取り付ける装置」「機器の設置」「所有権留保・担保」あたりの条項を読んでください。何を付けるのか、どういうときに作動させるのかが書いてあるはずです。見当たらなければ、お店に「うちの車に何か機器は付いていますか。どういうときに作動しますか」と、口頭ではなくメールなど記録に残る形で聞いてください。

もう1つ大事なことがあります。機器を勝手に外す・壊すのはやめてください。担保の車に手を加えたことになり、その時点で残り全額の請求に進む理由を自分から作ることになります。

車を勝手に持っていかれることはあるのか

「ある日帰ったら車がなかった」という話を心配される方がいます。ここは法律の考え方がはっきりしています。

日本では自力救済の禁止という原則があります。権利があっても、自分の判断で実力行使をしてはいけない、という考え方です。最高裁も、法律の手続きによったのでは間に合わないような特別な事情があるときに限って例外的に許される、としています(昭和40年12月7日判決)。

お金を払ってもらえないからといって、お店が黙って車を持ち去っていいわけではありません。車検証の所有者がお店であっても同じです。

実際には、こういう順番になります。

  1. 話し合いで、任意に引き渡してもらう いちばん多い形です
  2. 応じない場合、裁判所の手続きを取る 時間も費用もかかります
  3. それでも動かない場合、強制執行

つまり、放置していても即座に車が消えるわけではありません。ただし時間が経つほど、残り全額+遅延損害金という形で背負う金額は増えます。放っておいて得することは1つもありません。

もし実際に「勝手に持っていかれた」「深夜に押しかけられた」ようなことが起きた場合は、その場で争わず、後で相談してください。相談先は最後に載せます。

電話で伝えるのは、この3つだけ

いざ電話するとなると、何を言えばいいか分からなくなります。伝えることは3つで足ります。謝罪の言葉を並べる必要はありません。

支払いが遅れそうなときにお店へ電話で伝える3つのことの図。今月いくら払えるか、来月はどうなりそうか、なぜ足りないのか
伝えること 言い方の例
今月いくら払えるか 「今月は3万円までなら用意できます」
来月はどうなりそうか 「来月の給料日には通常どおり戻せます」
なぜ足りないのか 「車検と重なって一時的に足りません」

数字で言うのがコツです。「少し待ってください」より「今月は3万円、来月から通常どおり」のほうが、お店も判断ができます。応じてもらえるかどうかは店によりますが、言わなければ検討すらされません。

話がまとまったら、その内容をメールやメッセージで残しておいてください。口頭だけだと、あとで食い違います。

それでも払い切れないなら、車を売って整理する

収入が戻る見込みがないのに払い続けても、いずれ同じ場所に戻ってきます。早い段階なら、車を売って残りを精算するという道があります。

ここで注意点が1つあります。所有者がお店のままなので、あなた一人では売れません。売却するには、お店から所有権解除の書類を出してもらう必要があります。つまりこの道も、お店に相談するところから始まります。

順番はこうです。

  1. 残りがいくらか、書面で出してもらう 「今日全部払うといくらですか」
  2. いまの車がいくらで売れるか調べる これは自分で先にできます
  3. 2が1を上回れば、売って完済できる 差額は手元に残ります
  4. 下回るなら、差額の払い方をお店と相談する

先に査定額を知っておくと、話が早く進みます。金額を見てから「やっぱり乗り続ける」でも構いません。判断材料が1つ増えるだけです。

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お店との話が進まないときの相談先

お店と話が合わない、条件が厳しすぎる、取り立てのやり方がおかしい。そういうときに使える窓口があります。どれも先に知っておくだけで気持ちが違います。

どこ 何ができるか
消費者ホットライン 188 最寄りの消費生活センターにつながる。契約や取り立ての相談
法テラス 法律の相談窓口の案内。収入によっては無料相談や費用の立替え
日本クレジットカウンセリング協会 多重債務の相談。相談は無料

ここに連絡することは、後ろめたいことではありません。早い段階で相談した人ほど、残せるものが多いのが実際のところです。

次の車を分割で考えるなら、条件を先に見比べておくと、同じつまずき方を繰り返さずに済みます。

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過去にローンを断られた、自営業や転職直後で収入を証明しづらい——そんな方には、販売店が独自の基準で審査する「自社ローン」という選択肢があります。

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※ 自社ローンは販売店による分割払い(割賦販売)です。「必ず通る」わけではなく、独自基準での審査があります。金利の代わりに手数料が上乗せされ、総額は銀行ローンより高くなる場合があります。まずは無料の仮審査で、ご自身が通りそうかを確認するのが安全です。

→ 自社ローンの仕組み・一般ローンとの違いを先に知りたい方はこちら(当サイト解説)

よくある質問

Q. 1日遅れただけで車は止まる? A. 店ごとに契約が違うため、一律には言えません。契約書の装置に関する欄と「期限の利益の喪失」の欄を確認してください。遅れる前に電話しておけば、そこまで進まないのが普通です。

Q. 走行中にエンジンが止まる? A. 「次にエンジンを掛けられなくなる」タイプだと説明されることが多く、走行中は作動させない安全機能を公表しているメーカーもあります。ただし、すべての装置がそうだとは確認できていません。自分の契約書の装置に関する欄を見てください。

Q. GPSを外してもいい? A. やめてください。担保の車に手を加えたことになり、残り全額の請求に進む理由になります。

Q. 遅延損害金はいくらまで? A. 法律で上限が決められています。消費者契約では年14.6%を超える部分は無効とされ、分割払いの売買にはさらに別の上限規制もあります。契約書の数字が高いと感じたら相談先で確認してください。

Q. 車を勝手に持っていかれる? A. 自力救済は原則として認められていません。任意の引き渡しか、裁判所の手続きを経るのが原則です。ただし放置すれば請求額は増え続けます。

Q. 自己破産したら車はどうなる? A. 所有者がお店のままなので、車は引き上げの対象になることが多いです。判断の前に法テラスなどで相談してください。

まとめ(この順で動く)

順番 やること チェック
1 今月いくら払えるかを紙に書く(0円でも可)
2 遅れる前にお店へ電話する
3 契約書の「期限の利益の喪失」「遅延損害金」を読む
4 装置に関する条項があるか確認する
5 決まった内容をメールで残す
6 見込みが立たないなら、残債と査定額を並べる

今日できる次の一歩

  • まだ遅れていない → 今日のうちに電話して、来月の見通しを伝える
  • もう遅れている → 届いている書面を全部開けて、日付を確認する
  • 見込みが立たない → 残りの金額と、いまの車の査定額を並べてみる

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この記事は、現役で輸入車販売店を経営する立場から、現場で見てきた実例をもとにまとめました。当店は自社ローンを扱っていないため、どちらの肩も持たずに書いています。 — 経営者(現役・輸入車販売店オーナー)

最終確認日:2026年8月

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