iCarsoft どれを買う CR Pro/BMM/MB 対応車種【2026年版】
iCarsoft(アイカーソフト)を買おうと調べると、CR Pro、BMM V3.0、MB V4.0、VAWS、i930…と型番が数十種類出てきて手が止まります。
結論から言うと、iCarsoftの型番は「メーカーを表す記号」+「世代の番号」の2つでできています。 そこさえ分かれば、自分の車に合う1台は3分で決まります。この記事は公式サイトの製品分類とAmazonの実ページを1件ずつ確認して作った早見表です。
この記事の目次全15項目
結論:1メーカーなら専用機、複数メーカーならCR系を買う
| あなたの車 | 買う型番 | 実売の幅 |
|---|---|---|
| BMW / MINI / ロールスロイス | BMM シリーズ | 2万5千〜4万9千円 |
| メルセデス・ベンツ / スマート | MB シリーズ | 2万7千〜5万円 |
| アウディ / VW / シュコダ | VAWS シリーズ | 2万4千〜7万1千円 |
| ポルシェ | POR シリーズ | 2万7千〜4万4千円 |
| ランドローバー / ジャガー | LR シリーズ | 3万1千〜5万6千円 |
| ボルボ / サーブ | VOL シリーズ | 2万7千〜6万5千円 |
| 複数メーカーを乗り継ぐ・家族で別メーカー | CR Pro / CR MAX | 4万4千〜6万3千円 |
| 警告灯の正体を知りたいだけ | iCarsoftは不要。ELM327で足りる | 数千円 |
金額は2026年7月29日にAmazonの販売ページで確認した実売の幅です。同じシリーズでも世代(V1.0〜V4.0)で価格が変わるため、上下に開きがあります。
迷ったらこれ:バッテリー交換やオイルリセットまで自分でやるなら、自分のメーカーの専用機がいちばん安く深く届きます。何台も面倒を見るならCR Pro。「コードを読んで消したいだけ」ならiCarsoftを買う必要はありません。
診断機そのものの選び方(他社製も含む全体像)は、親記事の外車OBD2診断機の選び方 ELM327/CR Pro/専用機にまとめてあります。
型番の前の2〜4文字が「対応メーカー」です
iCarsoft公式サイトは、製品をメーカーのグループごとに分けています。型番の頭のアルファベットが、そのままグループ名です。
| 記号 | 対応するメーカー |
|---|---|
| BMM | BMW / MINI / ロールスロイス |
| MB | メルセデス・ベンツ / スプリンター / スマート(公式説明ではマイバッハも対象) |
| VAWS | アウディ / VW / セアト / シュコダ / ベントレー / ブガッティ / ランボルギーニ |
| POR | ポルシェ |
| LR | ランドローバー / ジャガー |
| VOL | ボルボ / サーブ |
| OP | オペル / ボクスホール |
| US | アメリカ車(フォード / GM / クライスラー系) |
| FR | フランス車(プジョー / シトロエン / ルノー系) |
| DE | ドイツ車グループ |
| JP | 日本車(トヨタ / 日産 / ホンダ系) |
| CR | メーカーを問わない複数対応(マルチ)シリーズ |
JPは「日本語」ではなく「日本車」です。 ここが日本の買い手がいちばん引っかかるところで、Amazonの商品名も「iCarsoft JP V2.0 日本語車診断スキャンツール トヨタ/レクサス…」と表示されます。「日本語」に見えますが、実際は日本"車"向け。BMWやベンツに使っても動きません。
世代はV1.0からV4.0まであり、現行はV4.0です
同じBMM(BMW用)でも、V1.0からV4.0まで並んでいます。数字が大きいほど新しい世代です。
| 世代 | 画面・操作 | 更新方法 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| V1.0 / V2.0 | 小型・ボタン操作 | PC接続 | 旧世代。中古で安く出回る |
| V3.0 | 4.0インチ・ボタン操作 | PC接続 | 全システム診断+リセット多数。国内の出品数が多い |
| V4.0(現行) | 5インチ・タッチパネル | Wi-Fiで直接 | 自分のメーカーに加えて別メーカー2つを無料で追加できる |
V4.0の「別メーカー2つを無料追加」は公式が明記している仕様です。BMWを買っても、あとからベンツとポルシェを足せる、という意味になります。
なお i910・i930・i980 という古い型番 も中古市場に残っていますが、これは世代が変わる前の呼び名です。i910がBMW系、i930がランドローバー / ジャガー系、i980がベンツ系で、それぞれ今のBMM / LR / MBに引き継がれています。「BMWだからi930」は間違いなので、中古で買うときは特に注意してください。
本体の表示は英語だけです。公式の対応言語に日本語がない
ここは購入前にいちばん誤解されやすい点なので、はっきり書きます。
- V3.0シリーズの公式マニュアルに書かれている対応言語は「英語・ドイツ語・オランダ語・スペイン語・フランス語」の5つ。
- 上位のCR Pro+の公式ページでは15言語に対応と書かれていますが、その15言語にも日本語は入っていません。
つまり本体の画面はすべて英語です。実際にポルシェ用のPOR V2.0を買った日本のオーナーも、ブログで「日本語はなく、すべて英語表記」と書いています。
ただし同じ方は「車種名も型番もメンテナンス項目も、カタカナ読みがアルファベットになっているだけ」なので操作で困る場面はなかった、とも書いています。Oil Reset、Battery、ABS といった表示なので、英語が苦手でも読めないことはありません。
「日本語対応」と書かれた並行輸入品の説明文を見かけたら、それは販売店が付けた日本語マニュアルのことで、本体画面のことではないと考えてください。本体の日本語表示を最優先するなら、iCarsoftではなく日本語表示をうたう他ブランドを選ぶほうが確実です。
2021年以降のベンツなど、新しい年式には社外機は届きません
これはiCarsoftの性能が低いという話ではなく、車側の配線が変わったことによる制約です。
2021年以降のCクラス(W206型)などは、ABS・横滑り防止・エアバッグといった装置が、OBD2の差込口に直接つながっていません。キーの認証装置を通した先に配線されているため、社外の診断機はメーカーを問わず、法律で公開が義務づけられているエンジン系のコードまでしか読めません。
- 2022年式W206のオーナーが海外フォーラムで「CR Proを持っているが、対応リストに車種が載っていても全部は読めない」と報告
- 2023年式C300でも「エンジン警告灯はどのツールでも読めるが、ABS・ESP・エアバッグは読めない」との報告
- 競合のOBDelevenは公式サイトでW206を非対応として掲載
BMM V3.0を売っているAmazonの商品説明にも、販売元自身が「2023年以降の車はまだ診断制限がある」と注意書きを載せています。新しい年式の車では、全システムを見るには正規のテスターが必要です。
買う前に確認するのは3つだけです
- 自分のメーカーの記号を上の表で確認する(BMW=BMM、ベンツ=MB)
- 年式を確認する。2021年以降のベンツ系は上の制約がある
- やりたいことを決める。コードを読むだけならiCarsoftは不要
3番が最も大事です。やりたいことで必要な機種が変わります。
| やりたいこと | 必要な機種 |
|---|---|
| 警告灯の故障コードを読む・消す | ELM327(数千円)で足りる |
| バッテリー交換後の登録、オイル交換のリセット | メーカー専用機(BMM / MB / VAWS 等)またはCR Pro |
| ECUコーディング(機能の設定変更) | メーカー専用機のV3.0以降 |
| 複数メーカーを1台で | CR Pro / CR MAX |
故障コードを実際に読む手順は外車 故障コード OBD2で読む・消す手順にまとめています。
よくある失敗は5つに集約されます
- 「JP」を日本語だと思って買う — JPは日本車向け。外車には使えません。
- メーカー記号を取り違える — i930はランドローバー / ジャガーです。BMWではありません。
- 本体が日本語だと思って買う — 公式の対応言語に日本語はありません。
- 新しい年式に全システム診断を期待する — 2021年以降のベンツ系は届く範囲が限られます。
- 海外の通販サイトで安く買う — iCarsoftの検索結果には海外のECサイトが多数出てきます。値段は安く見えても、初期不良のときの返品送料と期間、日本の保証が効くかを先に確認してください。
販売店の目で見ると、選ぶ基準は「作業の頻度」です
輸入車を扱う販売店の立場で言うと、機種選びで見ているのは機能の多さではなく、その作業を年に何回するかです。
バッテリー交換は輸入車なら3〜5年に1度。オイル交換のリセットは年1〜2回。この頻度なら、業者に頼むよりも専用機を1台持っているほうが早く済みます。逆に、コーディングのような設定変更を一度やったきりにする人は、上位機を買う意味が薄くなります。
もうひとつは**「その1台に何年乗るか」**です。日本のオーナーがブログに書いていた例では、ポルシェの点検表示リセットの費用がポルシェセンターで約2万円、専門店で約5千円でした(2020年時点・ポルシェの1例)。この作業が毎年発生するなら、数年で本体代の元が取れる計算になります。1〜2年で乗り換えるつもりなら、入門機で十分です。
社外品全般をどう見るかについては外車のブレーキパッド 純正以外は危険?にも書きましたが、判断の軸は同じで「どこまでを自分でやるか」です。
複数メーカーを1台で見るならCR Proです
CR Proは特定のメーカー専用ではなく、ポルシェ・ベンツ・BMW・ランドローバー・ジャガー・アウディ・VW・ボルボなど幅広いメーカーに対応するマルチ機です。オイル、EPB(電動パーキング)、SAS(ハンドル角センサー)、TPMS(空気圧)、BMS(バッテリー登録)、ABSのエア抜き、ETC(スロットル)、DPF、インジェクターコーディングの9種類のリセットに対応します。
2026年7月時点のAmazon実売は4万4千円台です。
上位のCR MAXは58メーカー対応で、画面が7インチのタッチパネルになり双方向テスト(部品を動かして確かめる機能)に対応します。実売は6万円前後です。さらに上のCR MAX P、CR Ultra Pは画面が10インチ級になりますが、CR MAX Pは14万円台とプロ向けの価格帯になります。CR Ultra Pだけは無料アップデートが3年間で、それ以外は生涯無料という違いもあります。
BMW・MINIならBMMシリーズが本命です
BMM V3.0は全システム診断と10種類以上のリセットに対応し、バッテリー登録とECUコーディングまでできます。強化版には20ピンの変換アダプターが付くので、2000年より前のBMW(E30・E36・E39・E46など)に使われていた20ピンの診断ポートにも挿せます。
2026年7月時点のAmazon実売は4万9千円台です。
ベンツ用のMBシリーズも構成は同じで、MB V3.0は全システム診断と30種類以上のリセットに対応します。保証はどのシリーズも共通で、ハードウェア1年保証・ソフトウェアは生涯無料更新・技術サポートも生涯です。
BMWのDIY全般はBMW DIY整備まとめ 3シリーズ・X3・X5、アウディはAudi DIY整備 A3/A4/Q3/Q5にまとめています。
アウディ・VWはVAWSか、アプリ型のOBDelevenです
アウディ・VW系はiCarsoftのVAWSシリーズが対応しますが、国内の出品はBMM・MBほど多くありません。スマホと組み合わせて使うOBDelevenもアウディ・VW系をカバーしていて、日本語の情報が多いぶん初めてでも扱いやすい選択肢です。ただしOBDelevenでコーディング(機能の設定変更)まで行うには、アプリ内の有料プランが別途必要です。
コードを読むだけなら数千円の入門機で足ります
「警告灯が点いた理由だけ知りたい」なら、iCarsoftは不要です。ELM327という汎用の入門機なら、故障コードの読み取りと消去、走行データの確認までできます。
ただしバッテリー登録・各種リセット・コーディングはできません。ここを最初に決めておくと、買い直しを防げます。
警告灯そのものの意味は輸入車の警告灯 総合ガイド 23メーカー別、エンジン警告灯が黄色く点いたときの分岐はエンジン警告灯 黄点灯 修理費2万→18万の分岐を参照してください。
よくある質問
Q. iCarsoftは日本語で表示できますか。 A. できません。公式の対応言語に日本語は入っておらず、本体の画面はすべて英語です。ただし表示されるのはOil ResetやBatteryといった単語で、カタカナ読みをアルファベットにしただけのものがほとんどです。
Q. JP V3.0を買えば日本語になりますか。 A. なりません。JPは「日本車(トヨタ・日産・ホンダ系)向け」という意味で、言語のことではありません。外車には使えないので買わないでください。
Q. BMWに合うのはi930ですか。 A. いいえ。i930はランドローバー / ジャガー用です。BMWはBMMシリーズです。型番が似ているので中古購入時は特に注意してください。
Q. V3.0とV4.0はどちらを買うべきですか。 A. これから買うならV4.0が有利です。画面がタッチパネルになり、Wi-Fiで直接アップデートでき、自分のメーカーに加えて別メーカー2つを無料で追加できます。価格を抑えたい場合や、追加メーカーが不要な場合はV3.0でも実用上は困りません。
Q. 2023年に買ったベンツでも全部読めますか。 A. 読めない可能性が高いです。2021年以降のCクラス(W206型)などは、ABSやエアバッグがOBD2の差込口に直結していないため、社外機はメーカーを問わずエンジン系のコードまでしか届きません。全システムを見るには正規のテスターが必要です。
Q. バッテリーを替えたら警告が消えません。 A. 多くの輸入車は交換後に「バッテリー登録」が必要です。ELM327ではできないため、メーカー専用機かCR Proが必要になります。
Q. 海外の通販サイトのほうが安いのですが。 A. 本体価格は安く見えることがあります。ただし初期不良のときに返品送料と時間がかかること、日本の保証が受けられるかを購入前に確認してください。iCarsoftで検索すると海外のECサイトが多く出てくるので、決済前に運営者情報を見る習慣をつけると安全です。
まとめ
| 確認項目 | チェック |
|---|---|
| 自分のメーカーの記号を確認した(BMW=BMM、ベンツ=MB) | |
| 「JP」は日本語ではなく日本車向けだと理解した | |
| 本体の表示は英語だけだと理解した | |
| 2021年以降のベンツ系には制約があると理解した | |
| 「読むだけ」か「登録・リセットまで」かを決めた |
iCarsoftは型番さえ取り違えなければ、ディーラー任せだった作業を自分の手元に戻せる道具です。まず自分のメーカーの記号を確認して、次に「何をしたいか」を決めてください。その2つが決まれば、買う1台は自動的に決まります。
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