結論

Carly(カーリー)は、アプリの表示が日本語になりません。
その代わり、BMWの設定変更の深さと「中古車チェック」は同種のアプリの中で頭ひとつ抜けています。

日本語 App Storeの対応言語に日本語が入っていません(2026年7月時点) 費用 日本流通のアダプタが1.7万円前後、アプリの年額は5,900円から 設定変更ができるのは BMW・MINI・VW・アウディ・セアト・シュコダの6ブランド

↓ まず「Carly・CARISTA・iCarsoftの3つは何が違うのか」を1枚の表にします。

✓ Carlyを買おうか迷っていて、日本語・料金・対応車種を先に知りたい このページのままでOK

✗ 日本語で使える安いアプリ型を探している → CARISTA(カリスタ)で何ができる 料金・対応車種・EVOの違い

✗ サブスクを払わない買い切りの機械がいい → iCarsoft どれを買う CR Pro/BMM/MB 対応車種

輸入車のコーディング(車の設定変更)を調べていると、必ず3つの名前に当たります。Carly、CARISTA、iCarsoftです。

そして必ず手が止まります。「どれも似たようなことが書いてある。結局どれを買えばいいのか」。

この記事はCarlyについて、公式サイト・日本のApp Store・日本の販売ページを1件ずつ開いて確かめた内容だけで書きます。先に言っておくと、Carlyは万人向けではありません。刺さる人には強く刺さり、それ以外の人には高いだけの道具になります。その線引きをはっきりさせます。

この記事の目次12項目

3秒早見表 Carly・CARISTA・iCarsoftの違い

3つは「似た道具」ではありません。形も、お金のかかり方も、届く範囲も違います。

比較項目 Carly CARISTA iCarsoft
アダプタ+スマホアプリ アダプタ+スマホアプリ 本体だけで完結する専用機
日本語表示 なし あり(13言語のうちの1つ) なし(本体は英語)
最初に払う額 1.7万円前後(日本流通品・1年分の利用権つき) 6,780円(EVOは13,780円) 2.4万〜7.1万円
毎年かかる額 年5,900円〜(アプリ内課金) 月3,000円/年9,000円 なし(買い切り・更新無料)
設定変更ができる範囲 BMW・MINI・VW・アウディ・セアト・シュコダの6ブランド 公式対応32ブランドの中で車種ごとに可否が決まる 買ったメーカー専用機の範囲
メルセデス・ベンツ 診断は可・設定変更は不可 対応ブランドに入っていない MB系の専用機あり
ポルシェ 診断は可 対応ブランドに入っていない POR系の専用機あり
中古車チェック あり(走行距離の改ざん検出) なし なし

出典: Carly公式サイトとApp Store日本、CARISTAは/posts/875、iCarsoftは/posts/876の各記事で確認した実値(2026年7月時点)。

【判断の目安】BMWの設定を細かくいじり倒したい、または中古車を自分の目で確かめたいならCarly。費用を抑えて必要な設定だけ変えたいならCARISTA。サブスクを一切払いたくないならiCarsoftです。

→ 次にすること: 自分が「毎年払い続けてもいいか」を先に決める。ここで半分が決まります。

Carlyの正体はアダプタとアプリのセット。売っているのはドイツの会社

Carlyは、車のOBD2差込口(足元にある診断用のコネクタ)に挿す小さなアダプタと、スマホアプリの組み合わせです。運営はドイツの Carly Solutions GmbH & Co KG です。

アプリでできると公式が挙げているのは次のとおりです。

機能 内容
診断 故障コードの読み取り。有料版では最大80個のコンピューターまで見にいく
ライブデータ 走行中の数値をその場で表示
メンテナンス オイル交換などの整備表示のリセット
コーディング 車の設定変更
中古車チェック 走行距離の改ざんなどを見つける
スマートメカニック 故障コードから修理の手がかりを出す修理支援

公式のブランド一覧には45以上の名前が並びます。BMW・VW・アウディ・メルセデス・トヨタ・フォード・ポルシェ・ボルボ・ジャガー/ランドローバー・テスラなど、OBD2差込口がある車ならたいてい名前があります。

ただし「名前がある」ことと「やりたいことができる」ことは全く別です。次の章がこの記事でいちばん大事なところです。

→ 次にすること: 自分の目的が「読むだけ」か「設定を書き換える」かをはっきりさせる。

設定変更ができるのは6ブランドだけ。ベンツは診断のみ

ここを誤解して買うと、確実に不満が残ります。

Carly公式サポートの説明では、コーディング(設定変更)に対応しているのはBMW・MINI・VW・アウディ・セアト・シュコダです。それ以外のブランドは、故障コードの読み取り・消去やライブデータといった基本の機能が中心になります。

そして日本の買い手がいちばん引っかかるのがここです。

メルセデス・ベンツには、Carlyのアプリで有効にできる設定変更の項目がありません。これは公式サポートが説明していることです。ベンツの診断はできますが、「デイライトを常時点灯にする」といった設定変更を目当てにベンツで買うと、目的を達成できません。

対応する年式は、公式の説明では2001年以降が中心で、BMWだけは1996年以降まで遡れるとされています。

もうひとつ、Carlyに限らない話も書いておきます。2021年以降のメルセデス(W206型のCクラスなど)は、ABSやエアバッグが差込口に直結しておらず、社外の機械はメーカーを問わずエンジン系のコードまでしか届きません。新しいベンツで「全部読める機械」を探しているなら、それは今のところ正規のテスターしかありません。

→ 次にすること: 自分の車が上の6ブランドに入っているか確認する。入っていないなら設定変更は諦める。

日本語表示はありません。App Storeの対応言語に入っていない

Carlyを日本語で調べている人がいちばん知りたいのはここでしょう。はっきり書きます。

日本のApp StoreでCarlyのページを開くと、対応言語はイタリア語・スペイン語・ドイツ語・フランス語・ポルトガル語・ポーランド語・英語の7つで、日本語は入っていません。

日本でアダプタを売っている店の商品説明にも、「現在はアプリは日本語非対応となっております」とはっきり書かれています。売っている側が自分で注意書きをしている状態です。

過去のCarly for BMWは日本語に対応していた、という話は日本のユーザーの書き込みにも出てきます。ただし今のアプリで日本語が使えるかどうかが判断材料です。「昔できた」は買う理由になりません。

日本のApp Storeでの評価は星4.3(585件)。動作にはiOS 16.0以降が必要です。

英語が苦手でも操作そのものは何とかなります。画面に出るのは Battery、Oil Service、Coding といった単語で、意味を取り違えるほど難しい文章は出てきません。ただし設定変更の項目名は、意味を取り違えると車の挙動が変わります。ここに不安があるなら、日本語表示があるCARISTAを選ぶほうが安全です。

→ 次にすること: 英語画面で設定変更まで踏み込めるか、自分に問う。無理そうならCARISTAへ。

料金はアプリの年額5,900円から。アダプタ込みだと1.7万円前後

Carlyの費用は「アダプタ」と「アプリの利用権」の2階建てです。

日本のApp Storeに表示されているアプリ内課金は次のとおりです。いずれも年単位の契約です。

プラン 価格
BMW and Mini ¥5,900
Carly for BMW Full-Version ¥6,000
All Brands(全ブランド) ¥7,400
All Brands アップグレード ¥6,900
Smart Mechanic(修理支援) ¥3,900
VW/アウディ/セアト/シュコダ + Mechanic ¥9,900
BMW and Mini + Smart Mechanic ¥11,000
All Brands + Smart Mechanic ¥13,000

出典: App Store日本のCarlyページ(2026年7月時点)。

アダプタは日本の通販で1.7万円前後で流通しています。実際に確認できた例は16,899円で、この商品にはCarly本体機能1年分とスマートメカニック1年分の利用権が付属します。つまり最初の1年は追加課金なしで一通り使えて、2年目から上の表の金額がかかる形になります。

参考までに、Carly公式サイトの海外価格はアダプタ単体が89.80ドル、利用権が年68.89ドルから(BMWは年98.89ドル)、全ブランド対応が年109.88ドルです。日本で流通しているセット品のほうが、1年目に限れば割安になっています。

無料で使える範囲もあります。公式の説明では、基本的な故障コードの読み取りと限られた車両情報の表示までが無料で、詳しい診断・設定変更・ライブデータ・整備リセット・中古車チェックは有料です。

→ 次にすること: 「1年で終わらせるか、毎年払い続けるか」を決める。1年で終わるなら日本流通のセット品が有利。

中古車チェックはCarlyだけの武器

同じアプリ型の中で、Carlyにあって他にない機能がこれです。

公式が「走行距離の改ざんを見つけられる」とうたっている機能で、車のコンピューターに残っている記録を読みにいきます。

販売店の立場から言うと、この機能は思っているより有効です。メーターの数字だけを巻き戻しても、車の中にある複数のコンピューターに記録が残っていることがあり、そこが食い違えば異常だと分かります。個人売買や、履歴の見えない安い中古車を検討している人には、アダプタ代を払う価値がある機能です。

ただし過信は禁物です。改ざんが見つかることはあっても、「見つからなかったから改ざんされていない」とは言い切れません。読み取れる記録は車種や年式で変わります。判断材料の1つとして使ってください。

外車の中古車で他に見るべき点は現役販売店が正直に言う 買ってはいけない中古外車と警告灯にまとめています。

→ 次にすること: 中古車の購入前チェックが目的なら、Carlyは検討する価値がある。

アダプタは専用品。汎用のELM327では動きません

CARISTAはAndroidであれば汎用のELM327アダプタでも動くと公式が案内していますが、Carlyは公式が売っている専用アダプタを前提にした作りです。公式サイトにも汎用アダプタで動かす案内はありません。

すでに数千円のELM327を持っている人が、それを使い回してCarlyだけ試す、という買い方はできないと考えてください。

使い方そのものは簡単です。

  1. エンジンを切った状態で、運転席足元のOBD2差込口にアダプタを挿す
  2. キーをONの位置にする(エンジンはかけなくてよい)
  3. スマホのBluetoothをONにしてアプリを起動する

差込口の場所は車種で違います。外車別の位置は外車 故障コード OBD2で読む・消す手順にまとめました。

→ 次にすること: 手持ちのアダプタを流用するつもりだったなら、その前提を捨てる。

コーディングのリスク 保証・車検・戻し方の3つ

ここが、売っている側があまり書かない部分です。車を預かる立場から正直に書きます。

① 設定は車に残る。戻すのは自分の仕事

コーディングは、車のコンピューターに新しい値を書き込む作業です。だから契約を解約しても、書き換えた設定はそのまま車に残ります。同種のCARISTAは公式にこの点を明記しています。

便利な仕様ですが、裏返すと売却や下取りのときに元へ戻したければ自分で戻すしかありません。変更する前に、必ず元の値をスクリーンショットで残してください。これを怠ると純正状態が分からなくなります。

② 灯火類は保安基準の対象。車検で落ちることがある

デイライトの常時点灯は、この手のアプリでいちばんよく行われる設定変更です。ただし日本の保安基準(第34条の3)では、昼間走行灯は光度1,440カンデラ以下・白色・左右2個・照明部25〜200平方センチメートル、かつヘッドライトや前部霧灯を点けたときに自動で消える構造であることが求められます。

海外仕様の設定をそのまま有効にすると、この条件から外れることがあります。車検の前に、灯火類まわりの変更は元へ戻しておくのが確実です。

③ 保証は「読むだけ」と「書き換え」で話が違う

故障コードを読むだけなら、まず問題になりません。問題になるのは書き換えのほうです。書き換えが原因で不具合が出た場合、その部分がメーカー保証の対象外になる可能性があります。新車保証や延長保証が効いている車では、ディーラーに一度確認してから触ってください。

なお、走行中の映像制限を外す設定変更を目当てに調べている人がいますが、当店としては勧めません。運転中に画面を見る前提の改造で、事故が起きたときに責任を問われる余地を自分で作ることになります。

→ 次にすること: 触る前に、元の設定値のスクリーンショットを残す。これだけは省かない。

CarlyとCARISTA、どちらを買うか

同じ「アダプタ+アプリ+サブスク」なので、いちばん迷うのがここでしょう。分かれ目は3つです。

迷いどころ Carlyが向く CARISTAが向く
日本語 英語画面で問題ない 日本語表示が欲しい
車のブランド BMW・MINI・VWグループ 同左に加え、トヨタ・レクサス・ボルボ・ジャガー等も含めたい
お金の形 1年分込みで買って、必要なら継続 1ヶ月だけ契約して作業を終え、解約する
中古車を自分で見たい Carly一択 機能がない

費用だけで比べるとCARISTAが有利です。アダプタが6,780円、1ヶ月3,000円で契約して作業を終えて解約すれば、1万円かからずに設定変更が終わります。

それでもCarlyを選ぶ理由があるとすれば、BMWの設定項目の細かさと、中古車チェックです。この2つに価値を感じないなら、CARISTAで足ります。

なおベンツとポルシェに乗っている人は、CARISTAは対応ブランドに入っていないので選べません。Carlyは診断だけならできますが、設定変更はできません。この2ブランドで整備リセットやバッテリー登録までやりたいなら、買い切りの専用機が現実的です。

BMW専用でよければ、バッテリー登録とコーディングまで対応する専用機があります。

VW・アウディでコーディングだけしたいなら、日本語の情報が多いOBDelevenも選択肢です。

「警告灯が点いた理由だけ知りたい」なら、そもそもこの手のアプリは要りません。数千円の汎用機で足ります。

診断機全体の選び方は外車OBD2診断機の選び方 ELM327/CR Pro/専用機にメーカー別の対応表つきでまとめています。

→ 次にすること: ベンツ・ポルシェなら、アプリ型ではなく買い切りの専用機を見る。

よくある質問

Q. Carlyは日本語で使えますか。 使えません。日本のApp Storeに表示されている対応言語は7つで、日本語は入っていません。日本の販売店の商品説明にも「アプリは日本語非対応」と書かれています。

Q. 料金はいくらですか。 アプリの年額はBMW・MINI向けの5,900円が最安で、全ブランド対応は年7,400円、修理支援まで付けると年13,000円です。アダプタは日本の通販で1.7万円前後。日本流通のセット品には1年分の利用権が付いています。

Q. ベンツで使えますか。 診断はできますが、設定変更はできません。公式サポートが「メルセデスにはCarlyで有効にできる設定変更の項目がない」と説明しています。

Q. 解約したら設定は元に戻りますか。 戻りません。設定は車のコンピューターに書き込まれるので、契約が切れても残ります。戻したいときは自分で戻す作業が必要です。だから変更前のスクリーンショットが要ります。

Q. 手持ちの安いOBD2アダプタで使えますか。 公式に案内がありません。Carlyは専用アダプタを前提にした作りなので、汎用品での動作は当てにしないでください。

Q. CARISTAとどちらが安いですか。 CARISTAです。アダプタが6,780円で、1ヶ月3,000円だけ契約して解約する使い方ができます。Carlyは年契約が基本です。

Q. コーディングすると車検に通らなくなりますか。 内容によります。灯火類の変更は保安基準の対象なので注意が必要です。車検前に元へ戻しておくのが確実です。

まとめ

確認項目 チェック
アプリが日本語にならないことを理解した
自分の車が設定変更できる6ブランドに入っているか確認した
ベンツは診断のみで設定変更はできないと理解した
1年目の費用(アダプタ1.7万円前後)と2年目以降(年5,900円〜)を把握した
触る前に元の設定値を控えると決めた

Carlyは「BMWを深くいじりたい人」と「中古車を自分の目で確かめたい人」に向いた道具です。それ以外の人にとっては、日本語が使えない不便さと毎年の費用が先に立ちます。

迷ったら、まず自分の目的を1行で書いてください。「警告灯の正体を知りたい」なら数千円の汎用機。「必要な設定だけ安く変えたい」ならCARISTA。「サブスクを払いたくない」ならiCarsoft。「BMWをやり込みたい・中古車を見たい」ならCarlyです。

あわせて読みたい

道具を揃えたら、次は工賃と固定費です。


この記事は、現役で輸入車販売店を経営する立場から、Carlyを「日本語で使えるのか」「CARISTAとどちらを買うべきか」という点に絞って、公式資料と日本国内の実売情報をもとに整理しました。 — 現役・輸入車販売店オーナー

最終確認: 2026年7月時点(価格・プラン・対応言語は変動します。購入前に実ページで確認してください)

PR:本記事の商品リンク(Amazon/楽天)にはアフィリエイトを含みます